食品品質管理システムの導入で失敗しないポイントとは 2023年12月8日コラム 様々な業界で情報のデータベース及びシステム化が進められていますが、食品メーカーにおいても同様で食品品質情報のシステム化が加速しています。 システムの導入を検討するにあたり、どのようにシステムを選べばいいかわからない、自社に合うシステムがどれなのか判断できないとお悩みの食品メーカーも多いのではないでしょうか。 本記事では、システム化を進める上でのポイントとどのように推進していくのかをご紹介します。 Contents1. 品質管理システムとは2. 失敗しないポイント2.1. 業務に詳しい会社に依頼する2.2. 現状把握、業務の見える化2.3. システム導入の目的を明確にする3. まとめ 品質管理システムとは 「品質管理システム」は、製品やサービスの品質を確保し、向上させるために行うプロセスや仕組みのことを指します。「QMS(Quality Management System)」とも呼ばれており、品質を高めることでお客様の満足度向上を図る仕組みです。 食品メーカーにおける品質管理システムとは、原材料から生産に至るまでの工程を管理、マネジメントするシステムを指します。具体的には、「原料管理」「配合管理」「商品管理」といった過程を管理し、製品の安全性を保つシステムです。 失敗しないポイント 業務に詳しい会社に依頼する 業務において特殊な作業やフローがある場合、あまり詳しくない会社に依頼してしまうと、現場の運用にフィットしないシステムになってしまうことがあります。食品品質管理システムにおいては、業界専用のシステムを提供している会社が多くあるため、まずはそこから情報収集してみることをおすすめします。 業界専用のシステムの場合、食品業界ならではの機能がすでに搭載されていたり、法令改正に対応しているケースが多いです。また、業界に関するノウハウもあるため、的確なアドバイス・サポートが受けられるでしょう。 現状把握、業務の見える化 現状の業務フローを把握、見える化することがとても重要です。システム化しても業務フローが非効率のままでは、業務の効率化には繋がりません。そのため、現場担当者にアンケートやヒアリングを行い、実際の業務の洗い出し(業務一覧表の作成)と業務フローを明確にしましょう。 業務を見える化すると、現状の課題が明らかになってきます。例えば、チェック作業が重複していた、様々な部門が紙でデータを管理していた、承認フローの進捗がわかりづらい、データの最終更新者がわからない等、それぞれの部門で出てきます。 その後、それらの解決策を検討します。その際、先ほどお伝えしたように業務に詳しい会社にお願いするとスムーズにいくケースが多いです。業務の進め方を見直し変更するのか、統合するのか、置き換えるのか等、業務にあった進め方を検討します。大変な作業となりますが、ここは時間をかけて取り組みましょう。現状把握・業務の見える化がしっかりできていないと、手戻りが増えたり、システム稼働後に改修が必要となり、追加の費用が発生してしまうこともあります。 システム導入の目的を明確にする 現状の課題や悩みを解決することだけを目的としていた場合、システム導入における「成功」の判断が難しくなります。例えば、「人手不足なので業務を効率化したい」「今のシステムが使いづらいので新しいシステムにしたい」といった場合、システム導入によって課題は解決できますが、目先の成功だけになってしまいます。そのため、具体的な目的を明確にし、どうなれば成功と言えるのか、社内の認識を合わせておきましょう。 例えば、「原料規格書の回収にかかっている時間を〇時間短縮する」「表示ラベル作成を自動化し、商品のリードタイムを〇%短縮する」「業務を効率化することで商品開発に注力できる環境を整え、新商品案を年に〇案考える」 というように、具体的であると導入効果の振り返りがしやすいです。 まとめ 品質管理システムの場合、多くの部門が活用するシステムとなるため、各部門の状況や課題を把握し、会社全体の業務を最適化するという視点で進めていく必要があります。そのため、部門横断型のプロジェクトで取り組むと、それぞれの課題を吸い上げやすいです。 そして、現状把握、業務の見える化には十分な時間をかけましょう。システム導入しても業務フローが非効率のままでは、業務の効率化には繋がりません。将来的な運用を想定し、要件定義をしていきます。 また、多くのシステム会社があるため、「同業社もしくは業界での実績があるか」「課題を理解してくれ、解決策を一緒に考えてくれるか」「アフターフォローがしっかりしているか」という観点も忘れずに確認しましょう。システム導入後も、何かしらの不具合や操作方法に関することなどサポートを必要とする場面が出てきます。特にアフターフォローの体制は、事前に確認しておきましょう。