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食品業界のデジタル化とは?商品規格書編

コラム

近年、様々な業界でデジタル化が進んでいますが、食品業界においてもその動きが加速しています。特にリモートワークの浸透に伴い、急速なデジタル化が進められました。本記事では、その中でも食品業界の「商品規格書デジタル化」に焦点を当て、デジタル化がもたらすメリットを紹介します。

 

デジタル化とは

デジタル化は、アナログなものをデジタルな形に変えるプロセスで、情報やプロセスをコンピューターやデジタル技術を使って取り扱うことを指します。

 

例えば、紙の文書をスキャンし、電子保存したり、これまで電話対応だったカスターサービスをチャットボットやWEBからの問い合わせに変更したりすることを指します。同じような意味合いとしてIT化も使われますが、厳密には少し異なる意味を持っています。IT化は情報技術を組織やビジネスに統合するプロセスで、デジタルデータを活用して業務を改善します。

 

簡単に言えば、デジタル化は情報をデジタルで取り扱うことを指し、IT化は情報技術を使って業務をスマートにするプロセスを表します。デジタル化は情報技術の一部であり、IT化はデジタル化を促進する手段の一つとなります。

では、食品業界におけるデジタル化はどういったことを指すのでしょうか。例としては、紙で管理していた原料情報や商品規格書をデータ化したり、これまでエクセルで管理していた在庫情報をシステム化したりすることなどが挙げられます。

商品規格書とは

商品規格書とは、商品の詳細情報を記載したものです。規格書、商品カルテ、商品仕様書と呼ばれることもあります。

 

商品規格書には、共通フォーマットがないため、食品メーカーによって記載している項目は異なります。よく掲載されている項目としては、商品基本情報(製造者・販売者・加工所、賞味期限、保管情報、原材料表示文、アレルギー情報など)、原料情報、成分情報(栄養成分、成分規格など)、製造工程、商品コンタミ情報、商品包材情報などが挙げられます。

商品規格書の課題

商品規格書に関連する一般的な課題として挙げられることは、規格書に含める情報を集める作業が煩雑であるということです。特に紙で管理していた場合、多くのアナログデータから必要な情報を抽出する作業は手間と時間がかかります。さらに、原料の変更があった場合、これらに反映させる作業も大変な手間となります。

 

また、課題として得意先毎にカルテ・規格書のフォーマットが異なるということも挙げられます。異なる得意先に提出する場合、都度商品規格書を作り直す必要があり、業務負担になるケースも少なくありません。加えて、Excelなどで作成している場合、ヒューマンエラーのリスクも考えられます。これらの点において、効率的な管理方法やデジタル化が求められます。

商品規格書デジタル化がもたらすメリット

商品規格書の課題を取り上げましたが、デジタル化にはどのような利点があるのでしょうか。

 

・必要な情報がすぐに手に入る
商品規格書をデジタル化するためには、商品に関するデータ(原料に関するデータ、配合に関するデータ、商品に関するデータ)をデジタル化する必要があります。これらの情報をデータベースで一元化することで、必要な情報にすぐにアクセスすることができます。

 

・商品規格書の作成が簡素化される
データが一元管理されているため、商品規格書に必要な情報をすぐに収集することができます。また、これまで手作業で作成していた商品規格書をデータベースと連携させることで、ExcelやPDFなどで簡単に出力することも可能です。ヒューマンエラーや見落としの発生を防ぐことに繋がります。

まとめ

商品規格書のデジタル化は、業務効率化だけではなく、商品の安全と品質を保つことにも繋がります。また、商品規格書は社内で活用することもありますが、商品の説明書となるため、取引先に提出する資料として用いるケースも多いです。いざ取引先から提出を求められた際、すぐに対応できるように準備しておくことで、機会損失を防ぐことにも繋がるでしょう。