「原料規格書」の重要性や用途とは? 2023年11月17日コラム 原料規格書は、製品の安全性と品質を保証するための重要な情報源です。その原料規格書の主な内容、重要性、また、どのような場面で必要となるかについてご紹介します。 Contents1. 原料規格書とは2. 原料規格書の重要性3. 原料規格書の主な内容4. まとめ 原料規格書とは 原料規格書とは、サプライヤーにとっては、販売する自社商品の品質を証明書する文書であり、仕入れる食品加工メーカーにとっては、製品製造に使用される原料の品質、性能、安全性などを定義した文書のことを指します。 製品の品質を一貫して保つために重要なもので、原料メーカー、食品メーカー、そして最終的には消費者にとって価値のある情報を提供します。 原料規格書は、製品の製造プロセスの各段階で原料の一貫性と品質を保証するための基準を設定します。これにより、製品の最終的な品質と性能が保証されます。また、原料規格書は、食品メーカーと原料メーカー間の明確なコミュニケーションを促進し、期待される品質基準と性能基準を明確にしています。さらに、原料規格書の内容は、原料の選択から製品の最終的な製造まで、全てのプロセスにおいて品質管理の基準となるため、消費者に対しても信頼性が確保されます。 原料規格書の重要性 原料規格書は、製品の品質と安全性を確保するための基盤となるものです。製造者は原料の品質を一貫して保つことができ、供給者はその要件を満たす原料を提供することにも繋がります。 消費者にとっては、購入する商品の産地やアレルギー、栄養成分などを確認するための情報源となり、また、原料規格書は、製品のリコール(食品による健康被害の発生を防止するため、食品の自主回収を行うこと)や品質問題が発生した場合の追跡や対応にも役立ちます。 販売先と取引する際には原料規格書を事前に求められることが多いため、食品業界で企業に販売する際に事実上必須の書類となっています。 原料規格書の主な内容 原料規格書には、主に下記の内容を記入することが多いです。 商品名:商品の正式な名称が記載されます。 商品説明: 製品の一般的な特性や用途についての説明が記載されます。 原材料と配合割合:商品を製造するために使用される全ての原材料とその配合割合が記載されます。 添加物:商品に添加される食品添加物の種類と量が記載されます。 アレルギー情報:商品に含まれる可能性のあるアレルギーについての情報が記載されます。 遺伝子組換情報:商品に遺伝子組換え成分が含まれているかどうかについての情報が記載されます。 製造工程:商品の製造工程が詳細に記載されます。これには、使用する機器、温度、時間、その他の重要なパラメータが含まれます。 品質基準:製品が満たすべき品質基準が記載されます。これには、色、形状、大きさ、重量、味、香りなどの感覚的な特性、栄養成分、化学的な基準などが含まれます。 包装:製品の包装方法、包装材料、ラベリングについての情報が記載されます。 保存方法と賞味期限:製品の適切な保存方法と賞味期限が記載されます。 当社で提供している原料規格書回収管理サービス「TOREPAS BANK」の規格書の項目例は以下の通りです。イメージのご参考になりますと幸いです。 基本情報(商品名・原料区分・添加物・原産地・製造工場・保管情報など) 成分・規格 原料情報 コンタミ情報(原材料として表示が必要なもの・注意喚起が望ましいもの) 荷姿・包材(荷姿形態・使用包材) まとめ 原料規格書は、製品製造に使用される原料の品質、性能、安全性を詳細に定義した重要な文書です。また、原料規格書は、食品メーカーと原料メーカー間での品質基準と性能基準を明確にし、消費者に対しても食品の透明性を提供するために重要な役割を果たしています。 原料メーカーと食品メーカーの間で手間になりがちな規格書依頼・進捗回収状況・規格書の差戻し管理についてはWeb上で行うサービスもあるので、食品情報管理システムを上手く活用することをおすすめします。