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マイグレーション用語集

コラム

このページでは、マイグレーションに関する用語についての説明をまとめています。
マイグレーションを行う上で、よく出てくる用語についてまとめていますのでコラムを読んでいる中で分からない用語が出てきた際にはこちらをご参照ください。

 

 

メインフレーム

メインフレームとは、大規模で高い信頼性が求められる業務処理を行うためのコンピュータシステムのことです。多くのメインフレームは、銀行や保険会社、政府機関などの基幹システムに使用されています。膨大なデータ処理能力と堅牢なセキュリティ性能が特徴で、トランザクション処理やデータベース管理に優れています。一般的に高コストで保守も専門知識が必要とされますが、その信頼性から重要な業務で利用され続けています。ただし、近年ではクラウドシステムや分散型システムの台頭により、メインフレームを刷新する「マイグレーション」が注目されています。

 

 

オフコン

オフコン(オフィスコンピュータ)は、企業のオフィス内業務を自動化する目的で開発された中型コンピュータのことです。従来、事務処理や生産管理、在庫管理など、企業の特定の業務に対応した専用システムとして利用されてきました。メインフレームに比べると導入コストが低く、中小企業を中心に広く普及していました。しかし、汎用的なパソコンやクラウドの普及により、オフコンの利用は減少傾向にあり、近年ではクラウドシステムへの移行が進んでいます。

 

 

レガシーマイグレーション

レガシーマイグレーションは、メインフレームやオフコンなどのレガシーシステムから、WindowsやLinuxなどのオープン系のサーバーなど、新しいシステムへ移行することを指します。レガシーシステムは過去の技術や仕組みで構築されているため、保守や運用コストの増大、技術者不足などの課題が生じやすいです。レガシーマイグレーションを行うことで、新しいシステムへの移行を通じて、保守運用コストの削減、効率向上や保守性の向上、クラウドや最新アーキテクチャへ柔軟に対応可能など多くのメリットが得られます。

 

 

COBOL資産

COBOL資産とは、主にメインフレーム上で運用されているCOBOL言語で作成されたプログラムや関連データを指します。COBOLは、多くの基幹システムで使用されてきたプログラミング言語で、長年にわたる運用によって膨大なプログラム資産が蓄積されています。このため、COBOL資産はシステム移行や保守管理において重要な資産となります。COBOL資産の活用には技術の継承が必要であり、特にCOBOLに対応したマイグレーションツールや支援サービスが役立ちます。

 

 

OSS(オープンソースソフトウェア)

OSS(オープンソースソフトウェア)は、ソースコードが公開されており、誰でも利用・修正・配布ができるソフトウェアです。OSSは広く利用されており、LinuxやApache、MySQLなどの代表的な例があります。企業はOSSを活用することで、ライセンス費用を削減し、自由なカスタマイズが可能です。OSSコミュニティのサポートが受けられる場合もあり、セキュリティや機能の改善が迅速に行われます。OSSは、多様な分野で利用され、近年は業務システムの一部としても重要な役割を果たしています。

 

 

opensource COBOL

opensource COBOLは、OSSコンソーシアムで開発・公開しているOSSのCOBOLのコンパイラです。2009年に公開されたOpenCOBOL 1.1をベースに2バイト文字や国産メインフレームの互換性機能など、日本の商習慣に対応した機能が追加されたプロダクトです。COBOLをC言語にトランスレートし、Cコンパイラでバイナリを生成します。

 

 

opensource COBOL 4J

opensource COBOL 4J は、opensource COBOLから2020年にフォークした新しいプロジェクトです。GitHubのリポジトリ(https://github.com/opensourcecobol/opensourcecobol4j)で新バージョンが毎月リリースされている活発なプロジェクトです。opensource COBOLとの違いは、生成するのがC言語ではなくJavaのソースコードであることです。生成したJavaのソースコードは、Javaコンパイラ(javac)でJavaバイトコードに変換できます。NIST(米国の国立標準技術研究所)の「COBOL85」テストを通過しており、COBOL85に準拠したプログラムをJava実行環境で完全に稼働できます。COBOLからJavaへのマイグレーションを実現する方式の一つとしても注目を集めており、開発コミュニティでは、性能改善や生成するソースコードの可読性改善などの議論が精力的に進められています。

 

 

GnuCOBOL

GnuCOBOL は、OpenCOBOLの直接の後継となるOSSのCOBOLコンパイラです。日本で誕生したOpenCOBOLは、グローバルなコミュニティによって開発が進められ、2013年にGNUプロジェクトとして承認されました。GNUプロジェクトになった直後は「GNUCobol」という名称でしたが、2014年に現在の名前に変更されました。現在も開発は継続されていて、2023年7月には、約2年ぶりの新バージョンである「GnuCOBOL 3.2」がリリースされています。

これらのOSSのCOBOLコンパイラは、コミュニティによるサポートのほか、東京システムハウス独自のサポートサービスやopensource COBOLを活用したマイグレーション支援サービスをご用意しています。

 

 

リホスト

リホストとは、既存のシステムやアプリケーションを、プログラムを変更せずに新しいプラットフォームへ移行する方法です。通常は、メインフレームからオープンシステムへ移行するケースが多いです。リホストは比較的低コスト、短期間で移行できるため、迅速なシステム刷新を求める企業にとって有効な選択肢です。一方で、新たなプラットフォームでの最適化は必要になるため、事前準備やテストが重要となります。

 

 

リライト

リライトは、既存のシステムやアプリケーションのコードを修正・書き換えして、新しい環境に対応させることです。これは、より現代的な技術スタックへの移行やパフォーマンス改善、セキュリティ向上のために行われることが多いです。リライトは、コードの柔軟性と保守性を高め、長期的なシステム運用に適した状態にするため、システム刷新の重要な手段の一つです。

 

 

リビルド

リビルドとは、既存のシステムやアプリケーションを新たな基盤を基にした再構築を行う方法です。現行システムを参考にしつつ、新しいプラットフォームや技術要件に合わせて新規開発します。リビルドはコストやリソースがかかるものの、最適なアーキテクチャや最新の技術が導入できるため、長期的な運用が期待できます。特に、複雑で老朽化したシステムの刷新が必要な場合に選ばれます。