|
●手話とは
現在、バリアフリーに代表される人権意識の高まり、急速な高齢化社会の進展、介護保険制度の導入等、福祉に関する関心が高くなってきています。
そのような社会全体の流れの中で、ろう者の言葉である、「手話」に関する関心も高くなってきています。
ところで、「手話」とはどんな言葉でしょうか。「手話は言葉を単純に手で表現したもの」、「手話は世界中の人と共通で話せる」といったイメージがあるかもしれません。しかしながら「手話」とはそのようなものではありません。ここでは、ろう者の言葉である「手話」について簡単な説明をさせていただきます。
1.日本手話
2.日本語対応手話
3.中間型手話
4.まとめ
1.日本手話(伝統的手話)
日本で古くから使われてきた手話で、日本語対応手話に対して「伝統的手話」とも呼ばれています。
語順が日本語と一致しない。口語と併用しないなどの特徴をもちます。
伝統的手話は、「日本語対応手話ではなく、日本語のコードに依存しない手話」として否定的にとらえ
られてきました。最近「全日本ろうあ連盟」からこれを「日本語手話」と呼ぼうと提案されています。
それは、「伝統的手話」という用語が「日本語対応手話」の対極として定義されたということと、「古
い滅びつつある手話、少なくともそのように運命づけられた手話という語感をもつということによりま
す。
また、日本語手話は、日本の伝統的な文化を背景に発達してきましたので、その理解には日本文化の正
しい理解が必要になります。
例えば、「長男」という手話は、日本語手話では、「手のひらを前に向けて、顔の両脇においた両手を、
手の甲が前を向くように反転させながら、頭よりやや高くかかげて親から財産を相続する」形で表現し
ます。これは、日本においては、伝統的に長男が親の財産を全て相続するという、日本文化の背景から
この手話が出来上がっているということが分かります。
<日本語手話の特徴>
@ 手話が3次元空間で構成される言語である特性を生かし、語と語の位置関係や手話の動きの方向で
文法を表現します。日本語と語順が一致しない場合もあります。
A 日本語手話と日本語の語彙が1対1の対応になっていない場合があります。
B 口語との併用を前提としていません。
戻る
2.日本語対応手話
昭和43年に栃木聾学校で、作られた手話で「手指法辞典」に示されています。最近では語彙をより拡
充した「日本語対応手話辞典」が作られています。
日本語対応手話は、明確な意図をもって手話を整理し、一つのモデルにまとめたものです。
「長男」と「long -man」というように表現するなど日本語の意味と異なる手話源になるような欠点もあ
ります。しかしながら新しい言葉を生み出す性質を持ち、コミュニケーションを豊かにすることができ
ます。また、日本語対応手話は手話を覚えるという視点に立つと、日本語をベースにしているので非常
に覚えやすく、日本語対応手話から手話全体の世界へ入っていくことが比較的容易です。
<日本語対応手話の特徴>
@ 語順は日本語の語順に合わせる。助詞、助動詞は、指先や口形できちんと表現します。
A 日本語対応手話の語彙は日本語の単語全ての意味を表します。
B 口語の併用を前提とします。
戻る
3.中間型手話
現在、最も広く使われているのが、この「中間型手話」です。日本語手話と日本語対応手話のピジン言
語(異なった言語が接触したときに発生する言語の総称。例えば東南アジアで使われるピジン・イング
リッシュ等)として成立したものです。そのために両方の手話の特徴を併せ持っています。
<中間型手話の特徴>
@ 語順はおおむね日本語の語順に従う。助詞や助動詞は表現することもあるが、しない場合もあります。
語と語の位置関係や語の動きや方向などで、文法を表現することもあります。
A 単語としては日本語の単語を使うことが多く、一つの日本語単語に対して、文脈に応じて色々な手話単語を用いるが、最近では、音 声語と1対1として使い分けしない場合もあります。
B 口語と併用しやすい場合は併用しますが、併用しにくい場合はしません。
戻る
この3つの言語を比較した場合、コミュニケーションメディアとしては「中間型手話」が有効でありますが、
「手話を学習する」という視点に立った場合は、日本語をベースとしているという優位性から「日本語対応手話」が最も覚えやすく、親しみやすいといえます。
ちなみに「歌で覚えるはじめての手話シリーズ」では「日本語対応手話」をベースとした歌とのピジン言語である「Music sign」という手話のバリエーションによって手話を学習していくことになります。
この「Music sign」の分かりやすさと親しみやすさにより、手話に興味を持ち、手話学習の方法論を身につけ、今後のより発展的手話な学習の基礎を身に付けることができます。
戻る
戻る
|